アヤDay 4は桜島とカンパチで最高の一日でしたけど、5日目はどうでした? 地図で見ると、佐多岬を回って宮崎へ入るロングランですよね。



……正直、この日は「旅が終わった」と2回思ったよ。
濡れ落ち葉で滑ってブレーキレバーをへし折り、夕方にはタイヤに釘が刺さった。



えっ!? 普通なら即レッカー案件じゃないですか!



普通ならね。
でも、俺は「全部持っていた」んだ。
山道でレバーを交換し、閉店後の道の駅でパンクを修理して、自走してホテルまで辿り着いた。
今日はそんな「生存記録」と、旅先での少し笑える出会いの話をするよ。
こんにちは、風牙です。
九州一周5日目、2025年10月22日(水曜日)。 昨日の桜島での快晴とは打って変わり、朝からシトシトと冷たい雨が降る一日となりました。
今日のルートは、鹿屋 → 佐多岬(本土最南端) → 内之浦(JAXA) → 日南海岸 → ホテル日南北郷リゾート。 この日は観光というよりも、雨とメカトラブルに対する「戦い」の一日となりました。
第1の試練:濡れ落ち葉の罠と「右レバー」消失


鹿屋のホテルを出発し、本土最南端を目指して大隅半島を南下します。
雨は降り続き、山道に入ると路面状況が一変しました。
道路一面を覆う、濡れた落ち葉。 ライダーにとって氷の上を走るのと変わらない、最悪のコンディションです。
生きた心地がしません。
慎重に、慎重に走っていたつもりでした。
しかし、カーブで前輪が落ち葉に乗った瞬間、ズルッとタイヤを持っていかれました。
ガシャーン!
転倒。
スピードは出ていなかったので体は無事でしたが、倒れたCB400SBを起こして絶句しました。
右ブレーキレバーが、根元からポッキリ折れています。
フロントブレーキが使えないバイクなんて、ただの鉄の塊です。
ここは携帯の電波も怪しい山の中。
「終わったか……?」
一瞬、旅の中止が頭をよぎりました。
しかし、私は諦めませんでした。
シート下のバッグから、出発前に「念のため」と買っておいた予備のブレーキレバーを取り出します。
雨に打たれながら車載工具を取り出し、その場で交換作業を開始。
もしこれを持っていなければ、私の九州一周はここで強制終了していました。
誰もいない「本土最南端」


修理した愛車に跨り、再び走り出します。 そしてついに到達しました、本土最南端「佐多岬」。
駐車場にバイクを止めますが、ここからがまた試練です。
展望台まではトンネルを抜け、遊歩道を数百メートル歩かなければなりません。
レインウェア姿で一人黙々と歩きます。
当然、他の観光客など一人もいません。
展望台に立つと、目の前には鉛色の海。
晴れていれば種子島や屋久島が見えるそうですが、今日は白く霞んでいるだけ。
「この雨の中、落ち葉の恐怖を乗り越えて自走してここまで来た」
その事実だけを噛み締め、びしょ濡れのまま写真を撮り、逃げるように佐多岬を後にしました。
JAXAの屋内展示と「黄門様」


その後、大隅半島の東側へ回り込み、「内之浦宇宙空間観測所(JAXA)」へ立ち寄りました。
あいにくの天気で、屋外のロケット発射台などは真っ白な霧の中。
景色は何も見えませんでしたが、屋内の展示施設は非常に充実しており、宇宙開発の歴史を興味深く見学できました。
施設を出てバイクに戻ると、地元のおばあちゃんが私のバイクをじっと見ています。
ナンバープレート(茨城県の水戸ナンバー)に気づいたようです。
「あら、水戸から来たの?」 「ええ、そうです」 「まあ遠くから! ははーっ、黄門様だねぇ!」
思わず吹き出してしまいました。
こんな雨の日にバイクで走っている物好きを、水戸黄門に例えてくれるとは。
トラブル続きで張り詰めていた心が、おばあちゃんの一言で少し軽くなりました。
第2の試練:閉店直後の道の駅で「釘」発見
道の駅なんごうに向かう途中、バイクに違和感が‥‥
ハンドルが重く感じる‥パンクを疑いましたがフロントは異常なし、リアパンクはチェックせずに、そのまま走行して夕方、ようやく宮崎県に入り、トイレ休憩のために「道の駅 なんごう」へ滑り込みました。
到着したのは、ちょうど閉店時間を過ぎた頃。
ふとリアタイヤを押し込んでみると
「……嘘だろ?」
しっかりとパンクしてます。
慌ててメンテナンススタンドを設置して確認するとガッツリと太い釘が刺さっています。
持っていた水を少しかけると、ブクブクと泡が出てきました。
本日2度目の「詰み」確定演出。
しかし、不幸中の幸いでした。
店が閉まったことで、駐車場からは人気(ひとけ)が消えていました。
もし営業時間中で観光客がいっぱいだったら、「うわ、パンクしてるよ」「大丈夫?」なんて視線を浴びて、焦ってしまったかもしれません。 誰にも邪魔されず、落ち着いて作業ができる。
私はそうポジティブに捉え、修理の準備を始めました。
孤独なパンク修理コンプリート
静まり返った道の駅の片隅で、緊急手術を開始しました。
1. 簡易スタンドをセットし、リアタイヤを浮かせる。
2. ペンチで釘を一気に引き抜く(プシューッ!という音が誰もいない駐車場に響きます)。
3. パンク修理キットのプラグを、渾身の力でねじ込む。
4. 電動空気入れで、規定圧まで昇圧。
今の私には、朝のレバー交換を乗り越えた自信と、完璧な装備がありました。
電動ポンプが止まり、再び走れるようになった時、寒さを忘れるほどの達成感がありました。
ずぶ濡れのチェックインと、復活のバイキング
あたりは既に真っ暗でしたが、無事に予約していた「ホテル日南北郷リゾート」へ到着。
エントランスにバイクを乗り入れると、ホテルの方がすぐに屋根のある場所を案内してくれました。
ずぶ濡れの姿でしたが、温かい対応が染みます。
部屋に入り、熱い温泉で冷え切った体を解凍した後は、待ちに待った夕食バイキングです。
昼食抜きで走り続けた体に、宮崎の料理とお酒が染み渡りました。
「生きててよかった」 大袈裟ではなく、本気でそう思いながら箸を進めました。
【保存版】今回、旅を救った「4種の神器」
もしこれらを持っていなければ、私は今日、間違いなくレッカー移動で旅を終えていました。 ロングツーリングに行く全ライダーに伝えたい。「これだけは持って行け」という4つのアイテムです。 今回のような「山奥・雨・ソロ」という条件下で、実際に私を救ってくれた英雄たちです。
1. 予備のブレーキ&クラッチレバー
【重要性:★★★★★】
立ちゴケや転倒で一番折れやすいのがここです。折れると走行不能になります。
シート下の隙間に入るので、純正品か安い社外品でもいいので絶対に1セット入れておくべき「お守り」です。今回の私がまさにこれで救われました。
2. パンク修理キット(プラグ挿入式)
【重要性:★★★★★】
チューブレスタイヤなら必須です。ガソリンスタンドもない山奥でJAFを待つ数時間を、わずか15分の作業に変えられます。今回初めて使いましたが、説明書通りにやれば素人でも穴を塞げました。
3. 電動空気入れ(ポータブル)
【重要性:★★★★☆】
手動ポンプやCO2ボンベもありますが、電動が最強です。「失敗してもやり直せる」「確実に規定圧まで入る」という安心感が、パニック状態の心を支えてくれます。雨の中、汗だくでポンピングせずに済んだ最大の功労者です。
4. 簡易バイクスタンド
【重要性:★★★★☆】
センタースタンドがないバイクの必需品。これがないと、パンク修理時にタイヤを回して釘を探すことができません。コンパクトな棒状のものなら積載も圧迫しません。
本日の立ち寄りスポット
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旅は何が起こるかわかりません。 AIはルートを教えてくれても、パンクは直してくれません。
自分の身を守るのは、最後は「準備」と「道具」です。
この日ほど、過去の自分に感謝した日はありませんでした。
さて、満身創痍で宮崎入りしたDay 5。
明日の【Day 6】(10月23日)は、宮崎から熊本・阿蘇へ向かう、これまた長距離ルートです。
果たしてバイクの状態は本当に大丈夫なのか?





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