アヤ退職した後ってすぐに就職したんですか?



いや、やりたかったAIの創作を始めたよ



AIですか、難しそうですね



せっかく手に入れた時間だから挑戦したくてね
前回、30年勤めた会社を辞めた当日の「覚悟」についてお話ししました。
無事に退職の日を迎え、目の前に広がっていたのは、今まで経験したことのないような膨大な自由時間です。
多くの人が「明日から何をすればいいのか」と戸惑うこの空白を、私はどうやって埋めたのか。
今回は、私を救い、そして新しい情熱を注ぎ込むことになった「AIとの創作活動」という挑戦について詳しくお伝えします。
予告していた「新しい挑戦」の正体
第1話の最後で少し触れましたが、私の退職後の生活を一変させたのはAIとの出会いでした。
具体的には「Suno AI」という生成AIツールを使った、本格的な音楽制作への挑戦です。
定年退職後の生活といえば、庭いじりや散歩、あるいは旅行といった、どこか穏やかで「静」のイメージがあるかもしれません。
もちろんそれらも素晴らしい過ごし方ですが、私の場合はパソコンの画面越しにAIと対話する、非常にエキサイティングで「動」的な毎日が始まりました。
これが、私が前回予告していた「空白を埋めた挑戦」の正体です。
会社員時代の「隠れ趣味」が心の支えだった
実は、この挑戦は退職後に突然思いついて始めたわけではありません。
まだ会社でバリバリ働いていた現役時代から、仕事の休憩時間のわずかな時間を見つけては、少しずつAIを触り始めていたのです。
当時は、残業を終えて深夜に帰宅し、クタクタになった心身を癒やすための「隠れ趣味」のようなものでした。
スマホを開き、短い指示を入力するだけで、自分の想像を超えたクオリティの曲が流れ出す。
その瞬間だけは、仕事の責任や人間関係のストレスを忘れ、一人のクリエイターに戻れるような気がしていました。
当時の私にとって、AIは「面白い遊び道具」であると同時に、過酷なビジネス現場から一時的に離れられる「避難所」でもあったのです。
ですが、当時はあくまで細切れの時間。
「もし仕事のメールも電話も気にせず、丸一日このAIと向き合えたら、一体どれだけ深い創作ができるだろうか?」
この時、心の隅に蒔いていた小さな好奇心の種が、退職というきっかけで一気に芽吹くことになりました。
「ボタン一つ」の先にある、泥臭いプロンプトとの格闘
AIで曲を作ると言うと、世間では「ボタン一つで、誰でも簡単に、あっという間にできる」と思われがちです。
確かに形にするだけなら簡単ですが、自分の内側にあるイメージを100%具現化しようとすると、そこには驚くほど泥臭い試行錯誤が必要になります。
「メロディはもっと切なく、胸を締め付けるような旋律にしてほしい」
「サビに入る直前で、一瞬だけ時が止まったような静寂を作りたい」
「歌詞のこのフレーズには、もっと力強い意志を込めてほしい」
こうした自分のこだわりをAIに理解させるために、何百回、何千回と指示(プロンプト)を書き直します。
思い通りの音が出せずに、気づけば外が明るくなっていたことも一度や二度ではありません。
しかし、その試行錯誤の時間は、会社での「やらされる仕事」とは180度違う、純粋な「創作の喜び」に満ちていました。
組織の中で決められたルールに従うのではなく、自分の感性だけを信じて、ゼロから一を作り出す。
30年間、組織の歯車として走り続けてきた私にとって、このダイレクトな手応えこそが、退職後の心に空いた穴を埋めてくれる最高のサプリメントになったのです。
「退職後の空白」を「自分だけのスタジオ」に変える
おかげで、今の私のカレンダーに「退屈」や「暇つぶし」という文字は存在しません。
AIという最高の相棒がいるだけで、住み慣れた家の中が、世界でたった一つのクリエイティブスタジオに変わりました。
もし、在職中からこの「種」を蒔いていなかったら、私は今頃、急に手に入れた自由を持て余し、途方に暮れていたかもしれません。
準備していた趣味があったからこそ、私は大きなショックもなく、スムーズに「第二の人生」へとシフトすることができました。
30年勤め上げた後に始める全く新しい分野への挑戦は、想像以上に刺激的で、若返るような感覚さえあります。
AIは、過去の経験を否定するものではなく、むしろ積み重ねてきた感性を引き出してくれるツールです。
このテクノロジーを味方につけることで、私たちの世代の可能性はもっと広がっていくはずだと確信しています。
デジタルな挑戦から、アナログな冒険へ
さて、このように家の中でどっぷりとAIの世界に浸っていた私ですが、この付き合いは次第に画面の中だけでは収まらなくなっていきました。
最新のテクノロジーであるAIを、私のもう一つの長年の相棒である「バイク」と組み合わせたらどうなるか。
そんな好奇心から、私は少し変わった実験を始めることにしました。
それが、AIに導き出してもらった「不思議なツーリングルート」を巡る旅です。
次回は、デジタルなAIが教えてくれた、アナログで風を感じる旅のエピソードをお話ししましょう。
自分では絶対に選ばないような道に導かれたとき、そこには驚きの発見が待っていました。





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